落葉松の林の中で
富士山の山梨側、北口本宮冨士浅間神社の裏手から富士吉田口登山道ははじまる。その「中の茶屋」近くにフジザクラの群生地がある。群生地は新緑の落葉松の林の中にある。
フジザクラはそれほど背が高くない。花は少しうつむきがちに咲き、小ぶりで可憐だ。ちょうど5月の連休の頃に咲いている。美しい新緑の落葉松の林を歩くと本当にコノハナサクヤヒメはいたのかもしれないと思う。
落葉松の林は静かだ。落葉松の林は心に静かに沁みていく。
落葉松(カラマツ)の 秋の雨に
わたしの手が 濡れる
落葉松の 夜の雨に
わたしの心が 濡れる落葉松の 陽のある雨に
わたしの思い出が 濡れる
落葉松の 小鳥の雨に
わたしの 乾いた
眼が濡れる落葉松の 秋の雨に
わたしの手が 濡れる
落葉松の 夜の雨に
わたしの心が 濡れる-『落葉松』野上彰作詞、小林秀雄作曲-
昔、ドロシーがよく歌っていた歌だ。「ピアノの伴奏がゴージャスだから上手な伴奏がないとねぇ」なんてわがままをよく言っていた。「歌ってよ」と頼むと「え~?」と言いながら小さな声で歌ってくれた。
(2006年5月1日, mixi改)