ひっつきむし
多摩川を少し歩くと子どもの頃には見かけた覚えのない「ひっつきむし」を見つけることができる。コセンダングサではないかと思う。
ふと、MYKさんと電話で話したことを思い出す。MYKさんはそのとき、
今の世の中は、みんなのっぺりしていると思わないか?
と言っていた。そういえばMYKさんは20年以上前から、
どうも俺はあの癒しって言葉は胡散臭いと思う。
とも言っていた。いずれのときも私は「そんなことはないんじゃない」と軽く聞き流してしまった。今になってみると「ああ、あのときMYKさんが言っていたことは正しかったなぁ」と思う。そのMYKさんはもういない。また電話で話がしたいなと思う。
会社からの帰りがけに、建物の入り口のホールの椅子に大学に移籍するAWNさんが座っていたときのことをふと思い出す。「ひさしぶりですね」と挨拶をした。入社してまもない頃、当時のAWNさんは、ずいぶんとんがっていた。きつい皮肉を言われたりもした。
岡田君さぁ、研究ってのは装置さえあればできるってもんじゃないだろ?
振り返ってみるとAWNさんが言っていたことは正しかった。研究者というのはAWNさんたちのような人をいうのだと今は思う。
そういえば今はもう退職されたHSOさんがこんなことを話してくれたことがある。
岡田君。私はね、本当に頭がよい人というのは、最後まで振り切って考えることができる人だと思うんだ。
MYKさんにせよ、AWNさんにせよ、HSOさんにせよ、最近はそういう人たちが少なくなってしまった。それはそれで少し哀しい気がする。
(2007年11月27日, mixi改)