okadamktの日記

That's what we call a tactical retreat.

自分の声に耳を傾けたくなる優しい本: ジュリア・キャメロン 『あなたも作家になろう―書くことは、心の声に耳を澄ませることだから』

日本語の副題は「書くことは、心の声に耳を澄ませることだから」。「作家になるため」の本ではなく、自分という「作家である」であるための本。

英文のタイトルは”The Right To Write”。”書く権利”あるいは”書くことは権利”と直訳すればいいのだろうか。

著者のメッセージはまっすぐだ。「人は誰でも"書く権利を有している"」「作家はごく単純に書くことが幸せだから書くべきなのだ」そう著者は信じている。もし「書くこと」を幸せと感じるのであれば、それだけでわれわれは「作家」なのだ。

そんな考えは単純すぎる? そんなもんじゃない? 著者はそんな声に耳を貸すことはないとささやく。きっと僕らは学校に行きすぎたんだろう。何世代にもわたって学校にいくことを習慣化してしまった結果、生まれてこのかた、自分の声を丁寧に聴くなんてことをしたことがない自分がいる。

『普段の生活で丁寧にしていることは何?』

もしこの問いに戸惑うのであれば、きっとあなたも私と同じタイプだ。著者のいうようにちょっと立ち止まり自分の声に耳を傾けてみよう。少なくとも私はそう思った。

この本は、そう思わせてくれる優しい本だ。