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okadamktの日記

That's what we call a tactical retreat.

心理的な近接性

「彼には彼の時間がある」と思いつつ、子どもが乗った飛行機を夫婦で眺めるなんて、つくづく自分たちは親ばかだなと思う。

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それにしても、航空機の現在位置をほぼリアルタイムで表示するWebサービス「Flightradar24」はすごい。まるで自分たちもその飛行機に乗って空を飛んでいるような錯覚を与えてくれる。

「いまシベリアの上空だね」
「もうすぐバルト3国のエストニアの上だよ」
「もうすぐデンマークだ」
「あ、飛行場が見えてきた」 

親ばかな会話が続く。結局、着陸する瞬間まで、しかも着陸シーンは3D画像の設定にして見てしまった。

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VR(Virtual Reality : バーチャルリアリティ)とは、結局、「どれだけ自分がそこにいるような感覚に浸れるか」ということに尽きる。工学的には五感を含む感覚をどれだけ適切に刺激するかとか、視野の中でどれくらいの範囲に映像が広がっているか、自分の身体の動きに合わせて何が起こるかというフィードバック感などになるだろう。しかし、それだけではない。自分が見たり聞いたり触れたりしている世界に自分がどれだけ親近さを感じるか、心理的な近接性(proximity)を感じるかによると思う。

たとえばテキストベースのチャットであっても、チャット画面の向こう側にリアルな「人」を感じることができれば人は没入できる。心理的な近接性から、まるで実際の会話をしているように感じることができる。画面の向こうの人と同じ時間、同じ空間を共有しているかのように感じる。

それは読書体験にも似ている。登場人物がすぐそこにおり、風景や出来事の中に自分もいるように思える感覚にも近い。

「Flightradar24」は、地球というスケールで、いまこの瞬間に何が起こっているかを垣間見せてくれる。そして、その飛行機の一つに自分の知り合いが乗っていると思えば、それは世界と自分とがきわめてリアルにつながっていることを肌感覚として伝えてくれるものとなる。あるいは、それぞれの飛行機のアイコンは単なる絵ではなく、リアルに誰かの人生や物語につながっているものだと。

単なる親ばかではなく。