okadamktの日記

That's what we call a tactical retreat.

未来を推計する

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人口はすでにある未来だ。

友人の結婚式で主賓の小児科の先生が、「合計特殊出生率が1.5では私の年収はやがて半分になってしまいます。ぜひたくさんのお子さんを・・・」と、冗談とも本気ともつかない挨拶をされた。1995年頃の話だ。この年の合計特殊出生率1.42だった。

ドロシー(妻)が中学生の頃に仲のよかった友人限定(女性5人)だが、合計特殊出生率はうちをいれて0.6にしかならない。私的な感想でしかないが、都市部の合計特殊出生率の実感は1.5よりもかなり低い。

小児科の先生の「小児科の年収がやがて半分になる」という話は面白いと思ったので、帰宅してから、いくつかの仮定を置きながら、合計特殊出生率1.5で、ごくごく大雑把な計算をしてみた。ひとつは2100年の日本の人口。ひとつは"鯨"、"冷牟田"、"牟田神東"など稀少姓が何世代ほどで絶滅してしまうかの見積もり。ちなみに"鯨"という名字の全国順位は14,072位、全国人数はおよそ420人だ。

概算してみて、2100年の日本の人口については、数値の上振れ・下振れを含めても9000万人-6000万人になる蓋然性は高いだろうなとそのときに思った。

実際、総務省統計局のサイトにある「日本の統計2017」の「第2章人口・世帯 2- 1 人口の推移と将来人口(エクセル:41KB)」を見ても、2095年の日本の総人口の中位推計値は5332万人になっている。私の計算の方がやや希望的であったといえる。ちなみに「日本の統計2017」によれば、0歳-14歳の年少人口は、2015年の1680万人が2020年には224万人減の1456万人、2095年には2015年の約1/3の479万人になる。

2- 1 人口の推移と将来人口(エクセル:41KB)
統計局ホームページ/日本の統計 2017−第2章 人口・世帯より)

未来予測でもっとも確度をあげやすいファクターは人口推計だ。この数字はそんなに簡単には変化しない。したがって、通常、シナリオプラニングではその値は変数ではなく定数的に扱う。

いまから35年近く前の1981年、まだまだ社会が高度成長的にも見えていたとき、東京郊外の東久留米市の職員の人と話をした。そのとき、その人はすでに30年後の東久留米市の高齢化と税収減を心配していた。私が人口の推移に興味を感じる原点はそこにある。

人口はすでにある未来なのだ。

参考)