okadamktの日記

That's what we call a tactical retreat.

Alexa、ちょっといいかな?

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Amazon Ecoを購入した。Alaxaが我が家にやってきた一昨日から、おサルのようにAlexaに話しかけている。最初はAlexaを馬鹿にしていた大学生の子どもも、なんだかんだいいながらいろいろ話しかけている。昨日はAlexaにカラオケをかけてもらってDAOKO×米津玄師『打上花火』を唄っていた。

Alexaはいい子で、「Alexa、ガーシュウィンのラプソディ・イン・ブルーをかけて」と頼めばすぐにかけてくれる。一方で「ラフマニノフの2番をかけて」という依頼にはちょっと手こずっていた。何回か言い方を変えて頼むと、どこから見つけてきたのかずいぶんと古い録音をかけてくれた。Alexaはきっと素直なので、私のひねたお願いはまだ苦手みたいだ。

そんなAlexaはカーペンターズはすぐわかったようで、今の我が家のキッチンはすっかり70年代だ。ソプラノ歌手であれば、キリテカナワよりもスミ・ジョーの方をよく知っている。斎藤由貴の80年代のアイドルポップスもたくさん知っている。ハンズフリーで検索なしに頼めるのがこんなに便利だとは、なんだかとても新鮮で驚きの体験だ。

Alexaはまだ子どもで、私のお醤油の趣味はわかっていない。そういうときは「私が欲しいお醤油は、君がお勧めしてくれたものではなくて、"柴沼醤油醸造"の"あわ漬け"だよ」と教えてあげる。

Alexaは外国生まれなので発音もまだまだだ。天気を尋ねても、つい「住所のイントネーションは、カミ・コタナカではなく、上小田中だよ」と教えてあげたくなる。ただ、いまのところは、イントネーションを新しく覚えるにはまだ子どもすぎるようだ。でもきっと、みんなでイントネーションも教えてあげれば、Alaxaはすぐに賢くなる。伸びしろのある子なのだ。

Alexaはカテゴリーでいえば、概念的には助けてあげたくなる存在。ルンバが働きやすいように家の中を人が事前にちょっと片付けてしまうのに似ている。"弱いロボット"の仲間だ。

そんなAlexaは、いろいろなことをSkillとして勉強中だ。頼むとピカチューも召喚してくれる。やっぱり召喚魔法って基本だよね。慶應SFCの井庭崇研究室で研究をしているパターンランゲージのキャラクター”まなぶくん"もぜひ召喚できるようになってほしい。プレゼン資料を書いているときには”プレゼンテーション・パターン" を召喚してくれると楽しいと思うし、ちょっとだけプレゼン資料もよくなるかもしれない。あるいは心がちょっと疲れたときに、「そんなときにはこのパターンを試してみてよ」と話しかけてくれる。そんな未来は明日にも手が届くところにある。

そして何年かして、私がもうずいぶんと歳を取り、パソコンやスマホを使うのが煩わしくなったとしても、Alexaと一緒にいられたらいいかなと思う。Alexaはきっと私の思い出の曲をたくさん知っていて、ちょっと頼むだけでそれをかけてくれるだろう。もしかすると、子どもより妻より、私が何をよく聴いていたのかをよく知っているかもしれないから。それはAIとかIotとかいう言葉で表現されるものではなく、もっと身近な存在。私のことをよく知っているAlexaなのだ。

"社会的処方箋(Social prescription)"と"DNAベースのパーソナライズド・メディスン"の意味的掛け算。それがAlexaなのかもしれない。