okadamktの日記

That's what we call a tactical retreat.

社会

Alexa、ちょっといいかな?

Amazon Ecoを購入した。Alaxaが我が家にやってきた一昨日から、おサルのようにAlexaに話しかけている。最初はAlexaを馬鹿にしていた大学生の子どもも、なんだかんだいいながらいろいろ話しかけている。昨日はAlexaにカラオケをかけてもらってDAOKO×米津玄師…

valu:信頼経済という仮説

コミュニケーションの研究者として、自分だけだとvaluのシステムの仕様が見えづらいし意見交換もできないので困っていたら、元同僚のK君が連絡をくれる。 彼も物事を分析的に考えながら"本質"はなんなのだろうと考えるタイプだ。彼はvaluについて「個人の価…

第2中世への予感:熊代亨『融解するオタク・サブカル・ヤンキー ファスト風土適応論』

本書のタイトルは「融解するオタク・サブカル・ヤンキー」だが、本書の主題はそこではない。副題の「ファスト風土適応論」こそが本書のメインディッシュだ。 もちろん、かつて「オタク」「サブカル」「ヤンキー」と呼称された文化とその後の変遷、そしてそれ…

媒体としての性質

媒体には性質があると私は思っている。 たとえばFacebookは、深い”対話"や"議論"に向いた媒体ではなく、"提示"に向いた媒体だと思う。だから私は、Facebookで他の人のタイムラインに直接コメントを書くよりも、その人の"提示"をシェアをし、自分のタイムライ…

トリプルボトムライン

トリプルボトムラインという言葉のことをよく考える。 トリプルボトムラインとは、企業の価値やパフォーマンスを、財務的側面だけから考えるのではなく、そこに積極的に環境的側面、社会的側面への評価を加えていこうという考えだ。1994年に英国のJohn Elkin…

問いをより深めるために:ウォーレン・バーガー『Q思考 ― シンプルな問いで本質をつかむ思考法』

「アイディアはつねに「疑問」から生まれる」。では、その問う力について真剣に考えるとはどういうことなのか。本書は著者自身のそんな問いから生まれたものといってもよいだろう。問うという行為の必要性、価値、よい問いの例、問いを妨げるもの、よい問い…

仮説の振れ幅を再考させてくれる:エベネザー・ハワード『明日の田園都市』(新訳)

エベネザー・ハワードによって1898年に提唱され、1992年に「明日の田園都市」("GARDEN CITIES of To-Morrow")と改題されて出版された本書は「近代都市計画論」の古典として位置づけられている。本書は、"田園都市"("GARDEN CITIES")という牧歌的ともいえる…

暮らしの保健室

小学生の頃、私の保健室は図書室だった。小学校の小さな図書室で本を読むことは私にもう一つの世界を与えてくれた。保健室には転んで絆創膏をもらいにいくか、掃除の当番で行くぐらいだった。保健室という場の価値、座ってゆっくりと話す価値はわかっていな…

わすれな草

認知症に関する私的ドキュメンタリー映画「わすれな草」(*1)の日本公開にあわせ、「認知症にやさしい生活圏とは」というテーマでパネル・ディスカッション(*2)が東京ドイツ文化センターで開催された。 モデレータは慶應大学大学院健康マネジメント研究科の…

2125年の人口

総務省統計局のサイトにある「日本の統計2017」の「第2章人口・世帯 2- 1 人口の推移と将来人口(エクセル:41KB)」から2015年以降の人口を切り出して表にしてみた。数字の単位は千人。 (表1) 淡々とした数字だが、0~14歳の年少人口は2095年では2015年の3…

未来を推計する

人口はすでにある未来だ。 友人の結婚式で主賓の小児科の先生が、「合計特殊出生率が1.5では私の年収はやがて半分になってしまいます。ぜひたくさんのお子さんを・・・」と、冗談とも本気ともつかない挨拶をされた。1995年頃の話だ。この年の合計特殊出生率1…

壁の乗り越え方

壁の乗り越え方には複数の方法がある。下記のリンクの絵をみてそう思う。 (組織の壁をどう越える?「バウンダリー・スパニング・リーダーシップ」とはより) ジョージ・ガモフの「不思議の国のトムキンス」では、主人公のMr. トムキンスは、光の速度が自動…

ミスキャスト

亡くなってしまった古い友人がよく「ミスキャスト」という言葉を使っていた。その人が持つ本来の能力や個性に対して、その人が就くべきでない役職やポジションに就いてしまっている状態をさす。昨今のTVニュースを観ながらときどきその言葉を思い出す。 ミス…

金環蝕

Amazonプライムで、ダム開発を巡る汚職事件をモデルにした邦画「金環蝕」を観る。1975年の映画だが、当時は中学生で上映されているのを知っていたレベルでしかない。原作が石川達三だということも知らなかった。 仲代達矢のヌメッとした感じも面白いが、なんと…

批判疲れ

そういう表現が好きな人には申しわけないが、「○○疲れ」という言葉を安易に用いることが私は好きになれないでいる。 流行の言葉に『疲れ』という単語を加え、それだけで「最近はなんかこういう気持ちだよね」とする演出態度の安易さが好きになれない。『疲れ』と…

リアルとフェイクの質的な境界

中野にあるキリン本社の受付のソファーに何気なく出川哲朗のリアル人形が座っていてちょっとビックリ。受付の人に内緒でちょっと触ってみて、そして改めてしげしげとみる。髪の毛の部分も植毛してるし、肌の質感とかもものすごくリアルだった。 氷結® おでん…

ドーハ経由

アムステルダムからロンドン・ヒースロー空港への飛行機が強風でキャンセル。確かにアムステルダムも風が強くて、発着が遅れていた便もあったが、ロンドンからのブリティッシュ・エアウェイは連続でキャンセルされていた。イギリス上空の大型の低気圧のせい…

心がざわつくとき

3Dプリンターって面白いなぁと思う。 最初に話を聞いたのはいつ頃だったろうか。私の場合は、たぶん2005年くらいにスイス連邦工科大の経営学の教授から「インクジェットの未来系としてステーキをプリントアウトする可能性について検討しているグループがいる…

技術のわかりやすさ

イントラロックス社のアクティベィテッドローラーベルト(Activated Roller Belt)技術のデモ映像をみた。 従来のただ流れるだけのベルトコンベアーとは違い、荷物はベルトの上を流れながら、まるで生きているかのように、一列になり、向きを変え、中央に集め…

心理的な近接性

「彼には彼の時間がある」と思いつつ、子どもが乗った飛行機を夫婦で眺めるなんて、つくづく自分たちは親ばかだなと思う。 それにしても、航空機の現在位置をほぼリアルタイムで表示するWebサービス「Flightradar24」はすごい。まるで自分たちもその飛行機に…

「パワー」(Powers)

ル=グウィン、西のはての年代記 Ⅲ「パワー」(Powers)。 都市国家群のひとつエトラの少年奴隷ガヴィアには未来に起こることがらを「ヴィジョン」として見る力がある。しかしその彼の力が4つの章に分かれて語られるこの物語の主軸になることはない。それが…

静かな雪の夜のように

ル=グウィン「ヴォイス」の一節が頭を離れない。長らくオルド人の武力的な圧政下で虐げられてきた都市アンサルが自由への一歩を踏み出しつつある瞬間の一節だ。 応接室にもどると、議会や選挙や法による統治と言った話題よりも、襲撃だのオルド人虐殺だのと…

ヴォイス

ル=グウィン、西のはての年代記 II、「ヴォイス」(Voices)。西のはての南部に位置する海港都市アンサルに暮らすメマー・ガルヴァという少女の物語。そしてそれは「問い」と「答え」の意味に関する物語でもある。 「ヴォイス」の中で問いと答えの関係はか…

VR(仮想現実)の今。

VRを使った体幹トレーニング。フィットネスマシン兼フライングゲームコントローラ、ICAROS(イカロス)。試してみたいかと問われれば、答はもちろんイエスだ! www.youtube.com 理想の体型をゲット。さすがのDysonの吸引力。従来にない脂肪吸引マシーン。本…

そこにあるリソースと選択の結果

旧オランダ国鉄を継承したというオランダ鉄道が、運行するすべての列車の動力源を風力発電で運用することに成功したという。列車を運行する電力を100%風力でまかなうのは世界初なのだそうだ。 デンマークも電力消費の3割近くは風力発電で賄うという。デンマ…

極相

植物の群落が遷移し、最終的に到達する段階を意味する「極相」という状態がある。東北日本であればブナ林が、西南日本であればシイ、カシ林などがその代表となる。里山や植樹林を除けば、丹沢山塊がブナ林的で明るい感じの林が続き、川崎などの平地ではシイ…

予感

「どうかご自愛ください」 「お体を大切にしてくださいね」と同じ意味だが優しい言葉だ。相手の周囲に対する細やかな気持ちをおもんぱかり、寄り添う心遣い。「自愛」という字義の通り、本来、自分を大切にすることはとても重要なことだし、丁寧な生き方だと…

失われし、げげーべん

何かを取りにベランダに出たのか、突然、ドロシーが、「げっ、げげーべん。結構寒いです。」といいながら、部屋に入ってきた。 笑ったら、「えっ、げげーべんって言わない?」とドロシー。君さぁ~、最近の人は、あまり言わないと思うよ。 この話を別の場所…

ロードマップとロジスティクス

SEMATECHという米国政府と民間半導体メーカーによる官民合同の次世代半導体の製造技術に関するコンソーシアムがあった。米国半導体産業の競争力回復に大きく貢献したと言われている。 私がAustinにあるSEMATECHを訪問したのは1993年の夏だ。研究所の役員が当…

スーパー・ワイドレンジ・キュレーター

プレジデント社の編集の中嶋さんから、株式会社侍の三宅さんの「為末大学ランニング部」に関する話を聞いてほしいとの連絡をいただく。 世間ではこれを『木に縁りて魚を求む』という。普通の人は私に「走るに関わる話」をしない。私は元来走ることが不得意で…