okadamktの日記

That's what we call a tactical retreat.

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雛の調度

うつくしきもの・・・雛の調度。 写真の雛飾りを福岡に住んでいた頃に飾っていた。狭い部屋のサイドボードの上においてあったから『裏店やたんすの上の雛祭り』(高井几菫)が適切か。 それぞれのお飾りは毎年少しずつ買い足されていった。縮緬のお雛さまた…

風景の記憶

飯能と横瀬の境にある正丸峠から、晴れた日には関東平野が一望できる。遠くには筑波山が見える。ときどき、朝早くに車で出かけた。少し霞む関東平野は美しかった。遠くに巨人兵が眠る姿が見えたような気がした。 4月の終わりに、混む前にと思い、北の丸公園…

極相

植物の群落が遷移し、最終的に到達する段階を意味する「極相」という状態がある。東北日本であればブナ林が、西南日本であればシイ、カシ林などがその代表となる。里山や植樹林を除けば、丹沢山塊がブナ林的で明るい感じの林が続き、川崎などの平地ではシイ…

トカトントン

I先生と車の中でどうでもいい話ばかりしていたら,同乗者のTさんから「二人の話はあんまりどうでもいいから,どうでもいい倶楽部ですね」と認定されてしまう。 そのまま,どうでもいい倶楽部メンバーとして話を続けていたら、「トカトントン」の話になる。…

失われし、げげーべん

何かを取りにベランダに出たのか、突然、ドロシーが、「げっ、げげーべん。結構寒いです。」といいながら、部屋に入ってきた。 笑ったら、「えっ、げげーべんって言わない?」とドロシー。君さぁ~、最近の人は、あまり言わないと思うよ。 この話を別の場所…

出会い

出会いにはタイミングがある。だから、出会っていると思っていても実は出会っていないものも人生にはきっと多くある。たとえば、こんな一節。 わたくしといふ現象は假定された有機交流電燈のひとつの青い照明です これらについて人や銀河や修羅や海膽は宇宙…

同世代に生きる: 山田詠美 『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』

「家族」「健康」「友人」「趣味」「お金」「役割」。じゃんけんで負けるたびに紙に書かれたいずれかを破っていく喪失体験ゲーム。そしてその後に「本当の喪失は選べないのだ」と告げられる。 山田詠美、「明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち」。 …

美しい日本『語』の世界: 江國香織 『竹取物語』

たとえば、伊勢物語の芥川。恋い焦がれ、夜露を「あれは何?」と問うような彼女が、あっという間もなく鬼に食われてしまう物語。 業と無常の二項対立からの脱却を、原罪という概念を介さずに描くためには、儚さが不可欠なのである。 「竹取物語」に材をとっ…

読書論についての考察。しかし真の犯人は著者: ピエール・バイヤール 『読んでいない本について堂々と語る方法』

ピエール・バイヤール「読んでいない本について堂々と語る方法」。その本について語るにはその本は読んでいない方がよい。本を読み、語ることについての意味の考察。 しばらく前に「アブダクション―仮説と発見の論理」という本を友人の原田くんに薦められた…

ちっちゃいもの倶楽部

私は「ちっちゃいもの倶楽部」に所属している。もちろん、そんな倶楽部は現実には存在しない。 子どもが小学生の頃、学校で育てている稲を「夏休みだから」ということで持ち帰ってきた。普段の生活で稲を間近に眺めることはない。ある朝、ふと思いついて写真…

花火

ドロシーと付き合い始めた最初の夏、二人で戸田橋の花火を見に行った。高島平団地に住んでいたドロシーのおばさんの家に寄って、そのあと、西台の駅からぶらぶらと河原まで歩いた。不思議なもので、あのときの西台の駅の様子などをはっきりと思いだせる。 駅…

東山魁夷展

飯能と横瀬の境にある正丸峠からは、晴れた日には関東平野が一望できる。遠くには筑波山も見える。それを見に朝早く車で出かけたこともある。少し霞む関東平野は美しかった。遠くに巨人兵が眠る姿が見えたような気がした。 2008年の4月の終わり、北の丸公園…

ひっつきむし

多摩川を少し歩くと子どもの頃には見かけた覚えのない「ひっつきむし」を見つけることができる。コセンダングサではないかと思う。 ふと、MYKさんと電話で話したことを思い出す。MYKさんはそのとき、 今の世の中は、みんなのっぺりしていると思わないか? と…

わかるということを真摯に問う:熊本徹夫、『精神科医になる-患者を"わかる"ということ』

"不思議"なタイトルの本だ。まえがきの一部にこうある。 哲学者の中村雄二郎はその著書『臨床の知とは何か』(岩波新書1992)の中で、近代科学の三つの原理を<普遍性>と<論理性>と<客観性>であるとし、それらが無視し排除した<現実>の側面を捉えなおす重要な原…

フレンチドレッスィングのレシピ、感想付き

【フレンチドレッスィング~基本~】 酢 大さじ1 塩 少々 こしょう 少々 油 大さじ4 はちみつ 小さじ1~2 ケイパー 大さじ2 大変おいしい。塩は少々でも多めの少々。こしょうは少々でも少なめの少々。はちみつは好みで加減する。ケイパーはみじん切り。…

The World According to Me

ハリウッドのロマンティック・コメディが好きだ。 "恋人たちの予感"(When Harry Met Sally) "ボギー!俺も男だ"(Play it Again Sam) "グッバイガール"(The Goodbye Girl) "アメリカ万才"(Protocol) "めぐり逢えたら"(Sleepless In Seattle) "或る夜…

大坂屋花鳥

ある日の土曜日、京成小岩、むかし家今松師匠、「大坂屋花鳥」。 主な登場人物は、吉原の花魁、大坂屋花鳥。自らの鬱積と重ね合わせながら花鳥に溺れ、辻斬りで200両を奪い、そして花鳥が吉原に火をかけて逃がしてやる無役の旗本、梅津長門。八丈島に島流し…

落葉松の林の中で

富士山の山梨側、北口本宮冨士浅間神社の裏手から富士吉田口登山道ははじまる。その「中の茶屋」近くにフジザクラの群生地がある。群生地は新緑の落葉松の林の中にある。 フジザクラはそれほど背が高くない。花は少しうつむきがちに咲き、小ぶりで可憐だ。ち…

春の散文詩

春のアサリご飯 あさり600gは洗って砂出しなべに入れ だし こんぶ 5cm角水4cupを強火で煮立て あさりのふたが開いたらすぐ火をとめこす身とからにわける 煮立ちすぎるとあさりの身がかたくちいさくなるので口が開いたらすぐ火を止めること 竹の子…

常識の働きをコミュニケーション・プロセスとして捉える良書: 遠山雄志 『組織を変える常識』

「おかだ、少しはTPOってものも考えないとな」。すみません。常識が必要ってことですよね。で、常識って何? 『常識とは、"かなり共通の対人経験"を有する人々が客観的だと同意する事柄である。』(遠山雄志『組織を変える常識』) わかりやすい! しかも「…

インサラータ・ディ・カプレーゼ

夕食の前菜、インサラータ・ディ・カプレーゼ。 パジルの葉にトマトとモツァレラチーズ、そして少しのオリーブオイルと胡椒。パジルの風味がよく,そして何より簡単。 我が家の人気メニュー。 インターネットで検索するといろいろな盛り付けがでてくる.でも…

"Whare are we now?"

ロードマップに関する研究をしているケンブリッジ大のPhaal博士は、にこやかに笑いながらこんな風に言った。 ロードマップはコミュニケーション・ツールです。行為としてのロードマップ、すなわちロードマッピングがもっとも大事なのです。そしてロードマッ…

夏への扉

SF(Science Fiction, 空想科学小説)は、子供の頃から好きだった。高校の東洋史の時間はすべて早川書房「世界SF全集」のための時間だった。今、振り返って考えれば、東洋史や生物や地学も面白かったろうに、5・6時限目が生物や地学のときには勝手に自主休講…

タイトルの美しさ

子供の頃は、長いタイトルの書名や章の名前が好きではなかった。内容を簡潔に表現していないような気がしたのだ。 それがいつの頃からだろう・・・。長い表題というものが嫌いでなくなった。むしろ、長い表題に、『本当には語りつくせない物語が内包されてい…

ミーム

お願いだから、納豆には砂糖を入れないで! あああ、頼むから、『砂糖の入った納豆っておいしいよね』って、子供に繰り返し同意を求めるのをやめて! お正月に、おじいちゃん、おばーちゃん、おばさん、カミさん、みんなで楽しそうに砂糖入り納豆を食べない…

VR積読

SNSを使うようになって困ることは、読みたい本がやたら増えてしまうことだ。対処法としてやっているのがVR積読。 最初にやったことは、Amazon VR積読。読みたいと思った本はなんでもかんでもどんどんAmazonのショッピングカートに放り込んでしまう。 この方…