「淀長(淀川長治)さんみたいになりたい」。
著者は、巻末に掲載された大澤聡との対談の中で、書評のひとつの理想の姿としてそう語る。
著者にとって、書評は愛と尊敬なのだ。
だからこそ、著者は書評の意味について考え、そして時に辛口にもなる。読者はそれを受け入れる。プロとしての書評家の規範にも納得できる。
その愛は、読者に8割向けられ、作家に2割が向けられている。
気をつけた方がよい。あなたはきっと本書で例としてあげられた本がすべて読みたくなってしまうはずだ。書評とはそういった力を持つものなのだ。
書評とはどのような行為であるべきかを語った書評論および書評批評。