居残り佐平次
「やっぱり人としての理想は居残り佐平次だよね」と常日頃思っている。
だから打合せなどで「居残り佐平次」と言って通じないと、それはそれでちょっと悲しいもんだ。佐平次とは「図々しい人間」を意味する隠語だという。フランキー堺が演じた幕末太陽傳の主人公も原型は居残り佐平次だ。
でも、それはそれ。
"江戸っ子は五月の鯉の吹流し、口先ばかりではらわたはなし"。啖呵も、調子のよさも、なんの戦略性もない、思いつき。行き当たりばったりの出鱈目さ。"でへへ、うれしくなっちゃうぜ"という気楽さ、明るい迷惑、底のなさ。そんな性格を地で行くような佐平次の中身のなさに憧れる。
何年か前に神奈川県民ホールで聞いた談春の佐平次も明るくってよかったなぁ。
YouTubeでは志ん朝の佐平次も聴ける。中盤過ぎてからのこのいい加減さ。嬉しくなる。古今亭志ん朝 (三代目) Shincho Kokintei 居残り佐平次 落語 Rakugo
談志もいいなぁ。立川談志 Danshi Tatekawa ずっこけ 居残り佐平次 落語 Rakugo
ああ、サウイフモノニ ワタシハナリタイ。