花火
ドロシーと付き合い始めた最初の夏、二人で戸田橋の花火を見に行った。高島平団地に住んでいたドロシーのおばさんの家に寄って、そのあと、西台の駅からぶらぶらと河原まで歩いた。不思議なもので、あのときの西台の駅の様子などをはっきりと思いだせる。
駅からほぼまっすぐ歩いた土手のところで、花火が始まるまでの時間、百面相などをして時間を過ごした。板橋側の花火が、ほぼ正面に大きく見える場所だった。
多摩川の花火は、青葉台の独身寮の仲間と見に行ったのが最初だった。花火が終わってもだいぶ長いこと、土手に腰かけて話をしていた。だから、河原の花火は嫌いじゃない。
---
今住んでいる場所は多摩川の花火まで歩いていける。子どもが小さい頃はよく二人で出かけた。夕方、5時半少し前に家を出て多摩川へ向かう。三々五々、河原に向かう人たちがいる。5時半だと「ちょっと出遅れたかな?」と思うような時間だが、河原につけば、まだまだ場所があった。
二人分のレジャーシートを敷き、たこ焼きを食べたりして、ぼーっと暗くなるのを待つ。寝っ転がって本を読んでいると、子どもがかき氷を買ってくる。彼はなぜブルーハワイが好きなのかはよくわからない。
花火が始まる。すぐ目の前で打ち上がるので、花火の高さは低いがそれなりに楽しい。河原の夜風は気持ちがいい。遠くで玉川の大きな花火があがると、「おおー」と歓声があがる。子どもが「あっちの方がよくない」と生意気なことをいう。あっちは混むんだよ。
三脚を使って花火の写真を撮ってみる。練習にちょうどいい。
適当に撮って、終了と同時に撤収。20分弱でもうガラガラの夜道になり、家に着く。小学生低学年の子どもを連れてこの離脱速度はやっぱり魅力だ。
---
今年はなんで行かなかったんだろう。子どもも大きくなってしまったしなぁ。
家で音だけ聞いていると「花火の音って大砲みたいでちょっと怖い」という人の気持ちがわからないでもないなと思う。
(2008年08月17日, mixi 改)